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教員News(No.27)

作業療法学専攻
-今取り組んでいること- 作業療法地域実践特論(卒業研究)

勅使河原 麻衣



 4年生は夏休みを終えると、10月までは卒業研究に追われる日々となります。卒業研究のテーマは学生と一緒に考えていくのですが、これまで精神障害者の就労支援や家族支援などをテーマに行ってきました。学生たちと話合いを重ねた結果、今年は「生活行為向上マネジメントについて」というテーマに決まりました。

 「生活行為向上マネジメント」とは、日本作業療法士協会が開発したもので、高齢者にとって生活意欲を高めるような「意味のある、したい生活行為」を再び行えるようにするツールです。2008年に開発されたもので、現在どのくらいの施設で取り入れられているものなのか、今回の卒業研究で調べてみることとなりました。

 調べる方法は、宮城県内の介護老人保健施設等にアンケートを郵送し、施設から回答いただいた後、数施設に学生が訪問し作業療法士に直接インタビューをするという流れです。アンケートは、どのような内容にすれば自分たちが聞きたい情報が得られるか、記載者にあまり負担をかけない分量であるかなど、学生たちが色々と吟味を重ねて作りました。現在は、アンケートのまとめを終え、学生が施設へ訪問し、直接インタビューを行っている最中です。直接インタビューを行うと、紙面のアンケートでは知り得なかった“現場の生の声”を聞くことができ、多くの情報を得ることができます。

 卒業研究は、4年生の集大成ともいわれる科目のひとつになります。ひとつのことを調べ、まとめあげることは容易ではありませんが、将来作業療法士になったときに役に立つ経験だと思います。臨床現場で患者さんを目の前にし、分からないことや疑問を持ったとき、卒業研究で取り組んだプロセスと同じように、文献を調べたり、他者から情報を集めたりし、それらの情報をもとに様々な角度で考えていくことが解決のヒントとなるかもしれません。そのようなことを卒業研究で少しでも感じてもらえたらと思っています。

10月中旬には、文化祭で卒業研究のポスター発表を行う予定です。4年生の成果をぜひ見に来ていただければ幸いです。



参考資料

一般社団法人日本作業療法士協会「生活行為向上マネジメント」
http://www.jaot.or.jp/science/mtdlp-newpage.html