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教員News(No.28) 

作業療法学専攻
太田 千尋

 私がここ何年間か取り組んでいることの一つに書字動作時の筆圧や速度のデータを収集し、その分析があります。

もともと、患者さんの見当識(日付がわかるか、今いる場所はどこなのか、など状況を理解できるか)の訓練や植物などの成長日記をつける際に患者さんに実際に字を書いて頂いていました。

作業療法士は、身体機能や日常生活動作の改善はもちろんですが、うまく字が書けないようなときは、座っている姿勢を調整する、鉛筆の柄を太くするなど工夫し、環境面へのアプローチなども行います。
その際、なかなか病気が回復せず、進行を余儀なくされ、字が震え、読みにくくなる方がいる一方で、手や腕の機能回復とともに、上手に字を書くことができる方など、さまざまな方に関わりました。

このことから、筆圧の変化をとらえることで、患者さんの回復過程を知ることができる手助けになるのではないかと考えています。

これまで同じような研究に携わっている医療分野の方や教育関係者の報告などから、発達に伴い筆圧が変化することや、病気により筆圧が変化することが分かっています。
しかし、なぜ意識せずに、私たちは筆圧をコントロールできるのか、一定の規則性があるのかなどについては十分に明らかにされていないようです。

現在は多くの先生方に指導を仰ぎながら進めています。